ビザ申請が拒絶されるなんて、想像もしていなかった事態に一瞬固まってしまいました。が、とにかく何とかせねば。ということで、ビザ申請を拒絶された時の一連の流れをまとめます。
ビザ申請拒否の理由
マニラの英国大使館から送られてきた郵便物の中には、申請時に送った書類一式と、何やらマニラで審査はしたぞ!みたいなスタンプが押されたパスポートと、Notice of immigration decisionというお手紙が入っていました。
私宛に送られてきた、ビザ発給拒否のお手紙には、拒否理由が書いてあったのですが、そこには、
「あなたは、子供2人とともに、Tier5のビザ申請をしたんだから、継続して3ヶ月以上、1800ポンドの預金があることを証明せねばなりませんし、その証明はビザ申請の1ヶ月以内でないといけません。しかし、あなたが提出した書類では、上記の条件をみたしているとは、私は思いませんので、ビザ申請は却下します。」
と書いてありました。
でも、この拒否理由、本当に意味がわかりませんでした。
まず、そもそも、何をどう見ても、送り返されてきた銀行の通帳を見ても、余裕を見て日本円で50万円程度は残高が3ヶ月前からずーーっとあったのです。余裕で1800ポンドは超えてます。しかも、通帳に記帳したのだって、ビザ申請しに行った前日なので、審査官が言ってる拒否理由など、どこにも見当たらないのです。
それ以外にも、よくわからないポイントが2つあって、
1つ目:必要な預金額
以前VHSコールセンターに問い合わせた時は、夫の口座には、Main applicant用に900ポンドとDependantsの3名分1800ポンド、合計2700ポンド銀行口座にある事を証明せねばならないと、確かに言っていたのに、審査官は、審査を通るのに必要な預金額は1800ポンドだと言っています。
2つ目:預金額の継続期間
Boarder Agencyのホームページには、預金額の継続期間は、「90日以上」と書いてあるにもかかわらず、審査官から送られてきた拒否理由の通知書には、「3ヶ月以上」と書いてありました。そして、この拒否理由の根拠となっていると通知書に記載されている移民法下の移民ルールAppendixEにも確かに、"a consecutive 90-day period of time"と書いてあり、3ヶ月などという記載はどこにもありませんでした。まあ、90日も3ヶ月もだいたい同じといえば同じですが、数日の誤差がでてしまう以上、法律的には、法定期間として90日と3ヶ月というのは、別の意味だと少なくとも特許関連の手続き(一応、私は、特許関連の手続きの専門家)では認識されるため、正式なホームオフィスからの文書でこんな適当な拒否理由が書かれている事がよく分かりませんでした。
ビザ申請拒否妥当性の検討1 預金額の条件
私自身が、何度見直しても、預金残高はビザ申請に必要な条件を満たしてるようにしか見えなかったのですが、念のため、Main Applicantである夫の職場のビザ担当の人に預金残高の証明に提出した書類を送って、確認してもらいました。そしたら、やっぱり、「これなら、ビザ申請の条件満たしてます。大丈夫です。」とのこと。
ビザ申請拒否妥当性の検討2 通帳の明細書部分の英訳
銀行口座の英訳については、Tier5の場合、名義人が書いてある表紙部分だけが必要で、残高明細の部分は、コールセンターに問い合わせた際、Tier5の場合は不要だと言われていました。とはいえ、もしかしたら、残高証明の部分の英訳がなかったのが問題だったのではないかと疑いました。
そこで、もう一度コールセンターに問い合わせ、ホームページや移民法などのどこに、Tier5の場合は、銀行口座の残高明細のページは英訳不要だということが書いてあるのか?と聞きました。その答えは、、、
「ホームページや、どこかの書面に残高明細部分は英訳は不要ということは書いていません。ただし、マニラから日本への指示として、Tier5のビザを日本から申請する方については、残高明細の部分の英訳についてはなくてもよいという運用をしていますので、コールセンターにお電話いただいた方にはそのように伝えています。」
とのこと。あれぇ、微妙に、前の答えと矛盾している。。。
そして、夫の職場のビザ担当の人には、「財務証明に際して、残高明細部分の英訳も必要ですから準備してください。」と言われました。
アピールにするか再申請にするか
ビザ申請が却下されたとは言え、却下の理由があまりにも不合理だし、とにかく何かしらの手段でビザを取らない限り、イギリスに長期滞在できません。そこで、次の手段としては、裁判所にアピールをするか、再度UK Boarder Agencyに再申請するか、のどちらかです。
ビザ申請に対する却下で、アピールする権利があるかどうかは、申請していたビザの種類によって違いがあるようなのですが、私達の場合には、Notice of immigration decisionの中に、私達には、アピールする権利がある。したがって、アピールする必要がある場合はこのNoticeを受け取ってから28日以内に"Notice of Appeal"を完成させて提出するようにと記載がありました。
また、再申請については、"Notice of immigration decision"において「再申請はできません。」との記載がなければ再申請ができるとのことで、通常Tier5のビザ却下の場合は再申請できるようです。私が受け取ったNoticeにも再申請しては駄目だとは書いてありませんでした。
アピールと再申請では次のような違いがあります。
・時間:アピールは、再申請よりも通常時間がかかるようです。というのは、アピールは、一度手続きがイギリス本国の裁判所の管轄になるものの、最終的にビザ発給される際は、ビザ申請した際の管轄大使館に審査が差し戻しされる形になるためです。
- 費用:アピールは、1人あたり80ポンドかかります。しかし、この費用は、仮にビザ申請に対する判断が覆された場合は、返金されます。一方、再申請は、再度一人3万円ちょっとの申請料を支払う必要があります。もちろん、返金などありません。
- ビザ申請手続きに関する記録:アピールをして最初に出されたビザ申請却下の判断が覆された場合、UKの当局にはビザ申請が却下されたという記録は残りません。一方で、再申請してビザが発給された場合でも、はじめにビザ申請した際に申請が却下された記録は残ります。却下理由が仮に不合理だったとしても、一度却下された事があると、優先審査制度等は実質的に利用できなくなるようです。
- パスポート:アピールの場合は、パスポートを提出して手元からなくなるのは、ビザ申請を管轄する大使館でビザ発給することが決まった後、有効なビザをパスポートに貼付ける作業をするために1週間程度の期間だけです。一方で再申請の場合は、優先審査の制度は一度却下されているため、実質的には利用することができず、また、通常の申請よりも審査には時間がかかるとされています。となると、パスポートは3週間以上は手元に戻ってこないことは覚悟しておいた方がいいようです。
結局、私たちは、アピールすることにしました。
・時間的には、ギリギリ8月上旬に間に合うだろうという希望的観測があったこと。
・パスポートが長期間手元からなくなると、IELTSの受験ができなくなること。
・再申請でさらに10万円も支払うのが憚られたこと。
・子供達の記録としてビザ申請却下の記録を残しておきたくなかったこと。
の4つが再申請ではなくアピールを選択した決め手でした。
ただし、結果としては、はじめの二つの判断が妥当だったかは、ちょっと微妙だったな。と思っています。が、そのお話は、また今度。
つづく…
なお、ここに記載されている情報は、2013年5月から6月頃の我が家のケースです。そして、イギリスのVisaに関わる法律等は、とても頻繁に改正されているようです。最終的なビザ手続きに必要な条件や書類等は、ご自身でUK Boader Agencyのホームページ等でよくご確認ください。
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