2013年12月8日日曜日

英国大学院の授業(2):授業での発言

イギリスの大学院の授業では、日本よりも格段に先生の質問に学生が答えるという場面が頻繁に見られます。ただ、30〜40人程度の出席者で主に発言するのは5、6人。それ以外の人間は、先生に指名された時に答えたり、ふと発言できそうな場面が見つかった時に答える程度。日本の大学院よりも、みんな積極的に発言をして授業が進んでいくんだろうと期待していたんですが、案外、積極的に発言する人が限定されている印象です。

大学院の授業が始まってから、第一の目標は、一度授業中にそれなりの答えを発言すること。そのために、可能な限り予習をして授業に臨むのですが、なかなか発言するのは、難しいのです。

私にとって、授業中の発言を阻害している要因は以下の通り。

  1. 先生が誰かに発言を求めて質問しているのか、単なる問題提起をしているのかのかが聞き分けられない。
  2. あ、答えが分かった!!と思うような内容は、大抵同じタイミングで他の学生も答えをひらめくので、結局、みんな一斉に同じ事をつぶやくだけになる。
  3. 答えがコンセプトとして頭に浮かんだとしても、それを、法律的な英単語で文章にできない。

ということが、授業を何度か受けていて分かってきました。
だいたい先生が求めている答えは、知的財産法の範疇である場合は、私自身すでに知っている内容だったり、日本語だったら答えられたのに!というよ初歩的なものものがほとんどです。

(ただし、Competition LawやCompany Lawなどの法域の話になると、質問も答えもチンプンカンプンなので、そこは英語以前の問題です。)

1の問題に関して言えば、とにかく他の学生と先生のやり取りを注意深く聞いて、どんな言い回しで先生が学生に質問を投げかけているのかを観察しました。
2の問題に関しては、まあ、特に気にせず。
そして、最後の3番目の問題については、予習のときに、キーワードになりそうな言葉を抜き出して口に出してみたり、授業中に「これがキーワードっぽい」というのをノートに書き取ってその次の発言の際に使えるようにする。

というような対策をとっています。
結局、どうすればそれなりの答えを授業中に英語で答えられるかを考えると、弁理士試験の論文試験や口述試験対策と似たような解決策に落ち着きました。とにかく、言葉の使い方を研究して、どう使うかを一人で練習してみて、恐る恐る(?)みんなの前で披露するという形です。

そして、今日、特許ライセンスの2回目の授業にてやっと、授業中にセンテンスとして先生の質問に答えることができました!!!

とはいえ、発言を始めたのはいいものの、途中でやっぱりそれらしき英単語は次々と私の頭の中から消えて行き、答えとしては、なんだかとてもわかりにくものになったとは思いますが。ひとまず、一歩前進したかもしれません。そして、何よりも大学院の授業としてこちらの文化が素晴らしいと思うのは、私のへなちょこな答えに対しても、授業が終わってから、

"Thank you very much for your contributions in this lecture!!"

と個別に言って頂けること。そんな、授業する側の細かい気遣いも、授業中の学生達の積極的な発言を促しているんだなぁ。と感じました。


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